私は高校1年生、丸山凛

下校中のことだった

私は気づいた

誰かに後をつけられていると

とても静かだが、足音が聞こえる

私が止まると同時にその足音も止まるのだ

これがここ3日ほど続いている

もう怖い・・。

助けを呼ぼう

そう思いバッグから携帯を取り出し、男友達に連絡しようと思った時だった。

黒い布で口をふさがれ、息ができないようにされたのだ

「ん~ッ!ンンン~~!!」

どんなに叫んでも助けはこない

なぜならここは路地裏だから

意識が薄れていく・・。

もうだめだと諦めた時だった

ガンッ

後ろで物音が聞こえるのとともに、私の口をふさいでいた手の力が一気に抜け

黒い布も地面に落ちていった

「ハァ、ハァ、ハァ・・・」

この一瞬で何が起こったのかわからない

「君・・。大丈夫・・?」

私が小さく頷くと彼は よかった と言って笑った。

「・・・あの・・。」

「ん?」

「本当、助けてくれてありがとうございました」

「いやいや、助けられてよかった。」

「あの・・。お名前を伺ってもよろしいですか?」

「あぁ。うん。俺は桜山高校の2年の片岡祐」

「桜山高校ですか?」

「うん。ていうかそのジャージ・・。」

「はいっ!私も桜山高校です」

「そっかぁ。何年生?」

「1年です。」

「1年!?大人っぽいのにね~」

同じ高校ということから、私は親近感がわき一気に仲良くなった

その日は先輩に家まで送ってもらった

助けられたときはまだ体は震えていたのに

先輩と話していたら自然と震えはおさまっていた

「片岡先輩かぁ~。」

先輩のことを考えながらその日は眠りについた