「……しかし…

私達は姫様のお父様にとてもお世話になっておりますうえ、姫様のお名前は『水咲 姫乃』ですし…」





__あたしのお父さん『宗一』は、水咲建築会社の社長を務めていて、
別荘をいくつも所持していた。

それに、メイドさんや執事さんも本家で多く雇っている。




そして……

『宗一』とお母さん『聖子』の間に産まれた
一人娘が、あたし『水咲 姫乃』なんです…




でもあたし達は、本家の方では暮らしていない。




お父さんいわく、あたしをしっかりとした娘に育てたくて、わざわざ別荘を自分達の家にしたとか……




「あっ、姫様。
私達は今日のお手伝いに来たんです。」




はぁ~…



絶対直す気ないみたい……



普通に名前で呼んでほしいのに~!





「では姫様、失礼致します。」




___えっ?



驚いている暇もなく、あたしはあっという間に制服に着替えさせられた。




波川高校の制服………




「……かわいい……」



鏡の前に立ち、制服を眺める…



なんか



高校生って感じ♪



「はい、姫様はとても可愛らしいですから。」




いつもそう言ってくれるメイドさん達…




「ありがとうございます。」




あたしもいつもの笑顔で答えた。