たっちゃんの呟いた言葉が
なんだか気恥ずかしくて。
あたしは微かに俯いた。
「姫乃も黒川も羨ましいよ。
みんなに選ばれてさ~」
「本条、シンデレラ希望…?」
「えっ違うよ。
あたしはシンデレラをいじめる、
『母役』立候補♪」
そう言って、ニッコリと笑ったなっちが…
____なんだか妙に怖かった……
…だってあたしがその……
イジメられちゃうシンデレラだし…っっ
たっちゃんも怖さを感じたのか、
「なっち怖いよ~…」
なんて、
怯えるマネをしている。
「…そう言う達希は?
なんの役するつもりだよ。」
「ん?俺?
俺は__……
ほんとは照明係とか、
余った残りの役でいいと思ってたんだけど…」
たっちゃんはそこで、あたし達の顔を見た。
「みんなやるなら、
俺もそこらへんに混じりたいなぁ~
って思って。」

