次の日、学校から帰るとリビングに知らない男が座っていた。



「あー、どうも!隼人君だよね!よろしく。」




「え?誰ですか?何で俺の名前…。」

キッチンからお茶を持って出てきた母親が

「ほらほら、この方が榊先生よ。雅哉の家庭教師の…。」



こいつか。榊 竜也。見た目はいたって普通。白のTシャツに紺のジャケット。下はベージュのチノパンに持ち物は大きな黒のカバン。



「ん?隼人君。どうしたのかな?俺の顔に何かついてる?」



「すいません…。そんなんじゃないんですけど。」




俺はそう言ってソファーに座った。



コイツがこれから家に来るのか。



その時に感じた不安をなぜか俺はすぐには拭い去れなかった。