「ただいま。」




「あら、お帰りなさい。今日は早かったじゃない。部活は?」






「コーチいないからミーティングだけ。」




「そう。」




その母親の声を聞きながら部屋のドアを閉める。



鞄を床に放り投げてからベッドに横になる。




ガチャ


玄関のドアのあく音。弟帰って来たのか。



「どうしたの!その顔。こっちいらっしゃい。」




母親の騒ぐ声。




また何かあったんだろう。



そんなことを考える。あんなことを言ったってそんなに気にしてないんだろ?




俺にはそれがバレバレなんですけど。




そう思いながら宿題に取り掛かった。