族には関わらないつもりだったけど、やっぱりあたしはこの道からそれることはできないみたい


こういう空気が好きなんだ


一見危ない場所に見えるけれど、暖かい場所で、落ち着く


楽しくて、馴染んでしまった


それからしばらくは黒獣の動きもなく、穏やかな日々だった


雷王は、ちゃくちゃくと黒獣を潰す計画を立てていた


あたしが族につあて何も知らないと思っているらしく、時々あたしの前で話をするから、もろばれだった


だけど、そのことに口出しする気も、関わるつもりもない


ケンカはもうしない。この争いに巻き込まれる気もさらさらなかった


────そのつもりだった