『白崎家のお姫様は、澪亜(れいあ)様ただ一人。』
そうささやかれる理由を、私は知っている。
金を嫌い、金持ちを嫌い続けた、世間知らずの馬鹿な姉は
優秀だったのに、庶民のオッサンと駆け落ちした。
タプタプのお肉が揺れて、加齢臭とバーコード禿げが特徴の四十過ぎ。
二十代前半だった姉は二十以上も年の離れた人を選んだ。
もちろん、勘当という処置をお父様は取った。
周りの人たちも、当然だと思っている。
私は悲しかったのに。
姉が居なくなって、人々の期待は私に降りかかる。
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