「ところで、お嬢様がどうしてこんな所に?」 「今日は月が綺麗でしょう。 海で見たくなったから抜け出してきたの。 丁度いいわ、案内してくれない?」 お金は幾らでも払うわ、と付け足すと快く承諾された。 高校生くらいだろうか。 この年頃は一番お金を必要としているように思える。 ザザ、という海独特の音が耳に届く。 潮の匂いと脚を取る砂が煩わしい。 それでも。 予想通りに景色は素晴らしかった。