海に向かう道路の真ん中を歩く。 もう遅い時間で、四杯飲んだカクテル。 プカプカ揺ら揺ら動く月景色。 世界が動いている、と考えたが 一月に二十四もの動きを見せる月が、一夜であんなに機敏に動くわけがない。 自分の視界が揺れているのだと気が付いたのはその三分後だった。 道路の真ん中で、へたり込んでしまったのだ。 立とうと思っても、生まれたての小鹿の如く フラフラした足取りで、すぐに尻餅を付いた。