あいのうた




そう話をするうちに、段々とその鍋からはいい匂いが立ち始める。



「ところで何作ってるの?」

「…店長から押し付けられたメニュー」

「?」



大地が手元からピラッと見せた紙には『卵粥の作り方』『梅生姜スープの作り方』と、細かくレシピが書かれている。

その文字は、読みづらいくらい荒々しいトラの文字。



(あれ、でも私トラにお粥の話なんてしたことない…)



「お前の母親に聞いたんだとさ」

「…?」

「『ナツが熱を出した時は、このお粥しか食べないから』って、言われて教わったことがあったんだと」

「……」