「あの日もお母さんは風邪ひいてて、トラが止めたけど大丈夫って言って仕事に行っちゃった」
『詩!お前熱あるなら休め!』
『ない。平気』
『お母さん無理しないで寝ててよ!』
『無理じゃない!やれば出来るわ何事も!』
『アホか!!』
私が小学6年生の秋、止める私たちにお母さんは大丈夫って笑って家を出た。
お母さんの頑固さは分かってたし、正直それまで何度も具合悪いけど気合で仕事を終えてきたってこともあったから、それ以上止めることも出来なかった。
『いってきます』
そう手を振った後ろ姿を力ずくでも引きとめればよかったって、そう後悔することになるのはそれから数時間後の話。



