熱い、寒い、怠い。
様々な気持ちがぐるぐるめぐる中、眠りに落ちて夢を見た。
『おかーさーん…』
『?どうしたの、ナツ…ってキャー!すごい熱!!』
『きもちわるい〜…』
『びょっ病院!薬!きゅっ…救急車!救急車ー!!』
『おかーさん、おちついて…』
幼い頃、私は風邪をひきやすい子供でいきなり熱を出すことが度々あった。
その度お母さんが、休みは取れないけどと仕事を早く切り上げてくれて、帰って来てからはずっとつきっきりで側にいてくれたのを覚えてる。
『おかーさん…ごめんね、おしごと…』
『いいのよ。お母さんはお仕事より、ナツの体の方が大切なんだから。気にしないでゆっくり休みなさい』
そう笑ってはいつも卵たっぷりのおかゆと、梅と生姜・ネギを合わせたスープを作ってくれた。
『スープにがーい!』
『これが風邪にはよく効くんだから!ほら、ちゃんと飲む!』
苦い薬も飲まないと怒られたし、熱にうなされれば苦しかった。
けれどいつも熱が下がり始めたら、ご褒美にとコンビニで買ってきたバニラアイスを食べさせてくれた。
『いい子にしてたからすぐ熱下がったね。はい、ご褒美のアイス』
『やったぁー!』
熱の日は、つらい。苦しい。
けどそれ以上に、毎日忙しいお母さんを独り占め出来る。そんな幸せでもある日。
(…今となっては、一人ぼっちが身に染みる日)



