そうしてカラオケを終え、話をしながら帰路につけば時刻は既に夜11時をすぎていた。
「楽しかったねー、あんなに長い時間カラオケにいたの初めてだ」
「うん、私も」
わざわざ家まで送ってくれるという祐介くんの言葉に甘え、私は彼と二人自宅近くの住宅街を歩いていた。
「でも大分遅くなっちゃったけど…家の人、大丈夫?」
「う、うん。大丈夫」
(…多分)
頷きながら、心の中ではトラがまだ帰ってきていないことを祈る。
「あ…家、ここだから」
「うん。じゃあまたね、メールする」
「うん、ありがとう」
足を止めたマンションの入り口で、彼は笑顔で手を振り去って行く。
いいって言ったのに心配だから、って送ってくれるなんて…優しい人だなぁ、そうしみじみ思いながらエレベーターを上り自宅へと向かう。
(合コンもイメージと違って楽しかったし…)
何事も経験と言うかなんと言うか…そう考えつつ自宅のドアを開ける。
ーガチャ、
「ただいまー…」
「遅い!!」
「!」
ところがその願いも虚しくトラは既に帰宅していたらしく、家に入った途端その大きな声が響き渡る。



