「ケガは?」 「大丈夫…」 「ならいいけど。どうしたよ、お前。最近変だぞ」 「……」 トラはそう言いながら私の手から新聞紙を奪うと、割れたグラスを片付け始める。 「…変、かなぁ」 「あぁ。ぼーっとしすぎ。何かあったか?」 「……」 「あ、そういや最近大地もぼんやりしてばっかだな。まさかお前ら何かあったり…なーんて、」 『大地』、そうトラが冗談っぽく言ったその名前に締まっていた紐は緩み、途端にぼろぼろと瞳からこぼれ出す涙。