「いやーでもびっくりしたー。車に轢かれそうになったなんて初めて…」 「……」 へらへらと笑うナツに、俺は右手でその頬を叩いた。 パチン、と小さく響く音。 「……」 「…、…」 笑顔から、驚いた顔。 そして段々と泣き顔に変わる表情。 「っ…」 へらへらとした笑顔も強がりで、本当は怖かった気持ちもあったのだろう。 子供のようにポロポロと涙をこぼすナツに、俺はその体をぎゅっと抱き締めた。