「どこか男の所にでも泊まってたりして♪」
「…あぁ?」
「…んだと?」
「ごめんごめん!怒らないで!冗談だって!」
『男』、その言葉に笑って流すことも出来ず和馬の襟ぐりをぐっと掴む俺と大地に、和馬は慌てて謝る。
「…けど、何で店長はなっちゃんを引き止めてあげなかったんですか?」
「……」
「何で、ここに居ろって言い切ってあげないんですか?」
躊躇いなく問うハルの言葉に、俺は和馬から手を離し溜息をひとつつく。
「何でって…決まってんだろ」
どうして、ナツを引きとめないのか。
『戸籍上は、だろ』
あんな言葉を言ったのか



