『ごちそうさまでした』

『…あの、』

『?』

『また来てください。…今度は、娘さんと』

『…うん!また来るねっ』





そこから始まった、彼女との日々。

それから付き合い、結婚までいったのだからすごいものだと思う。



「……」



あの日と同じ変わらぬ店で、俺は一人今日も料理を作ってる。



ープルルルル…

「…?」



すると突然鳴った店の電話に、俺は料理の手を止め受話器を取った。



「はい、『BLURRY』ですけどー」

『…あの、逢坂さんいらっしゃいますか?』

「?逢坂ですけど?どちらさん?」

『…日比谷と申します』

「?」

『詩の…山内夏菜の、父です』