私に出来ることなんて、きっとほんの些細なことばかり。 「トラが苦手な事務作業、代わりにやるだけでもいいの。掃除当番だって…ホールやキッチンの手伝いだって出来るように頑張るから」 でも、それでもやりたい。 ここで働きたい。 「だからお願い!雇ってください!」 このお店の、ひとつになりたい。 「……」 手を合わせてお願いする私に、トラは驚いた顔をした…かと思えば、ふっと鼻で笑って背中を向けてしまう。