『お母さん、何で今日もお父さんいないの?』 『仕方ないでしょ。お父さんはお仕事だから』 『……』 「友達が夏休みに家族でどこか行ったとか、そういう話聞く度に何でうちだけとか思ったし、その度にこんな店嫌いだと思った」 「……」 初めて聞く、トラの話。 それはその心の記憶 「けど、どうしてそのお店を継ぐ気に?」 「小学5年くらいのころだったかな。一回だけ母親が、親父の仕事中に店に連れて来てくれたんだよ」