あいのうた




ー…



「見たわよ〜、なっちゃん」

「?」



翌日のバイト中、今日も一緒のシフトの田中さんは、うふふと笑いながら楽しげに話しかける。



「?何をですか?」

「何をって…彼氏よ!昨日の夜見たわよ〜」

「え!?」



田中さんが見た彼氏、というのもきっと大地のことだろう。私はそれを否定しようとぶんぶんと手を降る。



「ちっ違います!あれは彼氏じゃなくてっ…」

「もういいのよ照れなくて♪彼氏でもない人に肩抱かれて歩くわけないんだからっ」

「……」



(あぁ…これはもう否定しても無駄だぁ…)

そう諦めたように反論をやめる私に、田中さんはますます楽しげに笑う。