「別に俺とナツ二人で行ってもよかったんだけどよ、どうしても湿っぽい空気になるから」 「…で、そういう時に限ってあいつはカラ元気で振る舞う、と」 「よく分かってるな」 「お宅の娘単純なんで」 「……」 仮にも親の目の前で容赦無く言い放つ大地に一瞬言葉を失うものの、その言葉もナツに対する理解だと思って気を取り直す。 「けどお前といればああやって騒いで、元気でいようと思わなくても元気になるだろ」 「…そうっすね」 平日の午後だというのに、目の前を何人もの人々が通り過ぎて行く。