アリスとは、あまり会話もないままだった。
寝室に入ったアリス。
新作ケーキを考えようとレシピノートを開いていたけど、頭に浮かんでこない。
いつもなら、すぐ浮かんできてレシピノートに書いて、休みの日に試作品を作るのに。
ノートが真っ白なまま時間だけが過ぎていく。
ダメだ。
もう寝よう。
俺はレシピノートをパタンと閉じた。
リビングを出て、寝室に行きドアを開ける。
ベッドの隅っこで猫のように丸まって寝ているアリスを見て自然と笑みがこぼれた。
おやすみ、アリス。
俺は寝室のドアを静かに閉め、リビングに戻るとソファに横になり目を閉じた。


