「包帯が濡れたらいけないから」
俺はアリスにゴム手袋を渡した。
「ありがとう、ございます」
アリスはゴム手袋を受け取り、それを手にはめた。
「ダイニングテーブルに置いとくから、お風呂入る時もした方がいい」
「はい」
アリスは目を合わせてくれない。
怖がらせちゃったかな。
「アリス?ゴメンね?」
「怒ってないです……ただ、ビックリしただけで……」
「そっか。アリスが可愛いからつい」
「そんなお世辞言わないで下さい!」
お世辞なんかじゃないのに。
「皿の処理をしたら、風呂に入って来るね」
「はい」
俺はダイニングに散らばったままの割れた皿の処理をした。


