「それとも……」
俺はアリスにグイッと近付いた。
少し後ずさりするアリス。
「それ以上のことがお望みだった?」
俺はニヤリと笑うと、後ずさっているアリスの両腕を掴んで後ろに押し倒した。
暴れないようにアリスの両腕を掴んだまま、俺は馬乗りになった。
アリスの唇に付くか付かないかのギリギリの距離に顔を近付ける。
「も、桃谷、さん……やめ……」
困ったような泣きそうな顔を見たら、体中がゾクゾクする。
でも俺はアリスから離れた。
「冗談、ゴメンね」
そう言って笑う俺と泣きそうなアリス。
「わ、私、洗い物してきます」
アリスは慌てたように立ち上がり、キッチンに行った。


