俺がそう言うと、子猫ちゃん、じゃなかった、アリスはニッコリ微笑んだ。
「アリス」
俺が名前を呼ぶと恥ずかしそうに下を向く。
可愛い。
俺は何度も名前を呼んだ。
「あ、もう、い、いいです……」
さっきよりも頬を赤く染めたアリスは恥ずかしそうにそう言った。
一瞬だけ静かになるリビング。
「…………さっきはビックリしました」
その静寂を破ったのはアリスだった。
「急にあんなこと」
アリスは少し笑いながら明るくそう言う。
それは作った明るさだとわかった。
無理して笑って、明るく言って……。
「もっとして欲しかった?」
アリスは一瞬だけ困った顔をした。
俺はイジワルだな。
アリスの困った顔を見たら、もっともっとイジワルしたくなる。


