「水で洗って、リビングにおいで?手当てするから」
俺はそう言って立ち上がるとリビングに行き、救急箱を用意した。
少しあとから子猫ちゃんがリビングに来る。
「そこに座って?」
子猫ちゃんはラグの上にペタンと座った。
「指、出して?」
差し出された指が微かに震えてる。
ガーゼに消毒液を染み込ませ、傷口に当てる。
ガーゼに血が滲んでいく。
「…………ッ!」
「痛い?」
「少し……」
「ゴメンね、あともう少しだから我慢してね」
ガーゼで指を丁寧に丁寧に拭いていく。
新しいガーゼを傷口に当て、その上から包帯を巻いた。
「出来たよ」
「なんか、大げさですね」
子猫ちゃんはそう言ってクスッと笑った。


