桃谷さんが紅茶をカップに注ぐ。
「砂糖とミルクは?」
「そのままで大丈夫です」
「そう。はい、どうぞ?」
「ありがとうございます」
桃谷さんが紅茶カップを私の前に置いた。
紙袋からケーキの箱を出す桃谷さん。
「モンブランとイチゴショート、どっちがいい?」
「イチゴショートがいいです」
桃谷さんはケーキ皿にケーキを出していく。
大きなイチゴがたくさん乗って、生クリームたっぷりのイチゴショート。
美味しそう。
ケーキを食べるなんて何年ぶりだろう。
「どうぞ?」
「いただきます」
私は手を合わせて、イチゴショートの端っこにフォークを入れた。


