「昨日、言えば良かったね。遅くなってゴメンね」
私は首を左右に振った。
「一応、名刺の裏に携帯番号とアドレスを書いといたから」
私は名刺の裏を見た。
男性にしては綺麗な字で携帯番号とアドレスが書いてある。
「子猫ちゃんのも教えて?」
「はい」
私はパーカーのポケットに入れていたスマホを取り出した。
「電話、かけて?」
「はい」
私は名刺の裏に書かれた番号を入力して電話をかけた。
桃谷さんのスマホの着信音が鳴る。
私は通話終了のボタンを押した。
次にアドレスを入力してメールを送った。
「LINEをしてるので、あまりメールはしないんですけど」
「俺もそうだよ。じゃあ、普段のやり取りはLINEの方がいいかな」
「そうですね」
その時、私のスマホのメールは受信音が鳴った。
『よろしくね』
そう一言だけ書いてあるメール。
桃谷さんが送ってきたのもだとわかる。
「メールもらったから返事してみた」
桃谷さんはそう言ってクスクスと笑っていた。


