「そんな子猫ちゃんにお土産」
桃谷さんは、私の前に紙袋を置いた。
「ケーキ、好き?」
「はい」
紙袋に書いてある文字を見る。
「あれ?このケーキ屋さん……」
杏が言ってたところだ。
アヤちゃんがイケメンのパティシエがいるって言ってた。
「このケーキ屋、知ってるの?」
「はい、友達が話をしてて、それで。私は行ったことないんですけど……」
「そうなんだ」
桃谷さんはそう言ってクスリと笑った。
仕事帰りにわざわざ寄って買って来てくれたのかな?
私のために?
でも冷蔵庫の中を見ると桃谷さんは甘党な感じだし、自分が食べたくて、ついでに私にも買ってきたのかな?


