せっかくいい条件を出してくれたのに……。
「お母さんに連絡出来る?」
「えっ?」
「ほら、キミは未成年だから……。もし親が警察に行って、ここにいることがわかったら、ね?」
桃谷さんはそう言って苦笑いした。
「友達の家に泊まるって言えばいいし、俺が説明してもいい」
「そこまでしてもらうのは……」
ここはやっぱり……。
「あの、私……」
「ここを出てどこに行くの?」
桃谷さんは私の言葉を遮るようにそう聞いてきた。
「ネカフェとか……」
「ネカフェでずっと生活していくの?」
「いや、それは……」
そこまで深く考えてなかった。
親に二度と帰らないと言ってしまった手前、家には帰り辛い。
だからと言ってネカフェでずっと生活するのは高校生の私にとってはお金の問題もあるし、通報されて家に連れ戻される可能性もある。
未成年だから深夜は利用出来ないだろうし。
最悪、学校にバレて卒業できないかもしれない。
そう考えると、桃谷さんの言うように親に連絡して居場所を教える方が安全かも。


