「家の中の物は自由に使っていいからね」
「はい」
自由に使っていいと言っても見られたら困るものもあるだろうな。
「見られたら困るものがあったら、言って下さいね」
「別に何もないよ?」
そう聞いたけど、桃谷さんから出た答えは意外なものだった。
「そうなんですね。あっ!私、来年の1月いっぱいまでは学校があるので、掃除や洗濯は夕方にするようになりますが大丈夫ですか?ご飯は三食きちんと作りますが……」
「えっ?学生って?大学生?」
「いえ……高校生です……」
「ホントに?」
さっきまで笑顔だった桃谷さんの顔から笑顔が消えた。
そりゃ、そうだろう。
未成年を家に入れちゃったんだから。
「若いとは思ってたけど……」
「黙っててゴメンなさい……」
「いや、聞かなかった俺が悪いんだし……」
「でも……」
やっぱり出て行った方がいいよね?
これ以上は桃谷さんに迷惑かけれないし……。


