「えぇ!何で床?しかも正座?」
リビングに戻って来た彼は驚いたようにそう言った。
「あ、えっと……ラグを汚したらいけないと思って……」
「そんなこと気にしなくていいのに。足、痛くなるよ?ソファに座りなよ」
「い、いいんですか?」
「うん」
私は彼の言葉に、その場に立ち上がる。
ラグをなるべく汚さないように爪先立ちで歩き、ソファに座った。
フカフカのソファは座り心地がいい。
「お腹空いてたよね?お弁当、食べて?」
彼はテーブルの上に置いてあったコンビニの袋からお弁当を取り出した。
「温めてくるね。飲み物はお茶でいい?」
「あの、アナタが食べて下さい」
「遠慮しないの」
彼はお弁当を持ってキッチンに行ってしまった。


