「お風呂、準備して来るから適当に座ってて?」 「あ、はい……」 彼はリビングを出て行った。 適当に座っててと言われても……。 リビングの真ん中に置かれた高級そうなソファに座って大丈夫なのかな。 テーブルの下に敷かれたラグも毛足が長くて、チリひとつ落ちてないし。 そんなラグの上を私の汚い靴下で入るのは申し訳なく思う。 だから私はフローリングの床に正座した。 このフローリングだってワックスしたようにピカピカだけど。