幹線道路沿いに建つ高層マンション。
ここが彼の家らしい。
彼の運転する車は地下の駐車場に入り、所定の位置に車を停めた。
周りを見ると高級車ばかりが停まっている。
ここに住む人は、みんなお金持ちなんだろう。
運転席を降りた彼は、助手席側に回ってドアを開けてくれた。
「これ、ありがとう」
そう言って、膝の上に置いていたコンビニ袋を取った。
私はシートベルトを外し、自分が先に出たあとボストンバッグとリュックを持ち、助手席のドアを閉めた。
前を歩く彼について歩く。
住人専用の出入口を抜けてエレベーターに乗った。
彼がボタンを押す。
その押したボタンに書かれた数字は一番大きな数字。
最上階だ。
動いてるのかわからないくらい静かなエレベーター。
私は上にある数字を目で追っていた。
