悠さんが海翔を抱っこして、私がベビーカーを押して歩く。
商店街を抜けたところにある公園。
桜の花が満開だった。
「桜、綺麗だね」
「ちょっと見て行く?」
「うん」
私たちは公園に入った。
散った花びらで地面はピンクの絨毯のようになっていて、風が吹くたびにサラサラと舞い散る桜。
大きな桜の木を見上げる。
手を伸ばし喜ぶ海翔。
「写真、撮ろうか?」
悠さんはそう言って、海翔をベビーカーに乗せるとパーカーのポケットからスマホを出した。
ベビーカーの後ろに私と悠さんが立ち、その場にしゃがみ目線をベビーカーと同じに位置に持っていく。
悠さんがスマホを持っていた手を伸ばす。
カメラ目線の私。
シャッターを切る前、悠さんが私のホッペにキスをしてきて、それと同時にシャッターを切った。
「ちょっ!」
不意打ちのキスに驚く私。
「アリス、可愛い」
そう言って笑う悠さん。
今度は、ベビーカーを真ん中にして写真を撮る。
撮れた写真を見てせもらった。
キスされた写真に写っていた私はビックリした顔をしていて、もう1枚は海翔も笑顔だし綺麗に撮れていた。
「2回目に撮った写真、送ってもらってもいい?」
「うん、いいよ。ちょっと待ってね」
しばらくして、悠さんからLINEが届いた。
開いて見ると、1回目に撮った写真も一緒に2枚の写真が添付されて送られてきた。
「1回目に撮ったやつはいいよ〜!」
「えー!何で?アリス、可愛いのに」
悠さんは少し残念そうな顔をして笑う。
私は2回目に撮った写真をスマホのロック画面に設定した。


