「海翔がさ、ママと結婚するって言ったらどうしようって」
悠さんはそう言って、ベビーカーを停めて前に回ると、海翔を抱き上げた。
「そんなこと心配してるの?」
「そんなことって、大問題だよ?俺の中ではね」
もし海翔が女の子だったら……。
パパのお嫁さんになると言われたら、私も悠さんみたいなこと思うのかな。
「ねぇ、海翔?キミはいつまでママを独り占めするのかな?早くママをパパに返してくれないかな?」
悠さんはそう言って、海翔のおでこに自分のおでこをくっ付ける。
海翔が悠さんのホッペを声を上げながらパチパチ叩いている。
まるで“まだまだママを返さないぞ!”って言ってるみたいに。


