ロッカールームから出て来た悠さん。
「じゃあ、あとのことよろしくね」
悠さんは恵理子さんと杏にそう言った。
「わかりました」
恵理子さんがそう返事をする。
キッチンから香取さんと高森さんも出て来た。
「アリスちゃん、いらっしゃい」
香取さんと高森さんはそう言って笑顔を見せてくれた。
「こんにちは!」
「海翔くーん!相変わらずパパにそっくりだねぇ!」
香取さんがそう言って、海翔の手をギュッと握った。
そんな香取さんの姿を見て、杏はウットリした顔をしてる。
「オーナーのミニ版みたいなね」
高森さんはそう言って、海翔の前にしゃがんで頭を撫でた。
「当たり前でしょ?俺の子供なんだから」
「オーナーがパパって、いまだに信じられないっすよ!」
「香取くん、それどういう意味?給料、減らすよ?」
3人のやり取りに、みんなが笑顔になる。
pâtisserie pêcheの仲間はみんな素敵で仲が良い。
海翔にも私にも優しく接してくれて、いつも笑顔が絶えないお店。
私と悠さんはみんなに挨拶をしてお店を出た。


