「どうしたの?」
「あ、えっと……」
私はテーブルに求人雑誌を置いた。
「仕事、探してるの?」
桃谷さんはソファに座った。
「実は、明後日、寮のある会社の面接を受けることになってたんです……」
「そうなの?」
桃谷さんは驚いた顔をしていた。
「明日、ここを出る予定にしてたので……それで寮のある会社に……明日、断りの電話を入れます……」
「うん」
私は紅茶に角砂糖をひとつ入れた。
「ねぇ、アリス?」
「はい」
「もし、働きたいなら、うちの店で働く?」
「いいんですか?」
「うん。真奈ちゃんがね、大学が忙しくなるから3月いっぱいで辞めるんだよね。だからもし良かったら」
「宜しくお願いします!」
私は頭を下げた。


