「キスする時は目を閉じなきゃね」 唇を離した桃谷さんがそう言って、ほっぺを指で突ついてきた。 「初めてだった?」 私は無言でコクンと頷く。 「じゃあ、アリスに大人のキスを教えてあげる。舌を出してみて?」 こう? 私は少しだけ舌を出した。 再び桃谷さんの唇が重なり、桃谷さんの舌が私の舌を押しやって口の中に入ってきた。 そっと目を閉じる。 胸がはち切れそうなほど痛い。 ドクン、ドクンと早くなってる。 唇を離した時、全力疾走したあとのように息が上がっていた。