でも仕事が決まってるわけじゃない。
進学するわけでもない。
明日からは私は学生ではなく無職だ。
桃谷さんの家を出たら実家に帰るしかない。
それだけは絶対に嫌だった私は、住み込みで働けるところか寮のある会社で働こうと思い、コンビニで求人雑誌を買ってきた。
晩ご飯の用意をしてから、桃谷さんが帰って来るまでリビングで求人雑誌を見ていた。
赤のボールペンを持って、寮完備の会社の求人に丸をつけていく。
とりあえず明日は卒業式だから、明後日、ここを出よう。
私は求人雑誌を見ていた目を窓の外に向けた。
ここでの生活も明後日で終わりか……。
桃谷さんに明日ちゃんと話をしなくちゃ。


