何だよ、これ……。
いい加減にしろよ。
目から落ちた涙が便箋の上に落ちて字が滲む。
今さら父親面するなよ。
バカ……。
俺の頭にあの日の光景が浮かぶ。
アリスの言った言葉も頭を過る。
純粋に俺に会いに来ただけ。
アリスの言う通りだったよ。
「はぁ……」
口から溜息が漏れる。
俺は胡座をかいていた足を伸ばし、後ろに手をついて天井を見上げた。
今まで父親らしい事なんて何もしてもらった事なかった。
だから会いに来てくれた時もムカついてイライラして仕方なかった。
でも、親父……。
俺に会いに来てくれて、ありがとうな。