電話を切った俺の顔を心配そうに見ているアリス。
「桃谷さん……」
「ん?何でもないよ?」
俺は椅子から立つとリビングに行き、スマホをソファに投げつけた。
あいつが死んだ?
俺には関係ない……。
あいつがどうなろうと関係ないんだよ……。
「桃谷さん、行って下さい」
「えっ?」
振り向くとアリスが立っていた。
「電話から漏れた声が聞こえたんです……」
「行かないよ」
俺はそう言って笑顔を見せた。
「私がどうこう言える立場ではないことはわかってます……。でも行って下さい。行ってあげて下さい」
「アリス……」
何でそこまで言うの?
「あの日、お父さんが桃谷さんに会いに来た日……」
「えっ?」
俺の頭にあの日の事が浮かんできた。


