紅茶をダイニングテーブルに持って行く。
俺はアリスの向かいに座った。
「食べてみて?」
「いただきます!」
アリスがフォークを持ってケーキを一口食べる。
「どう?」
今までは真奈ちゃんや恵理子ちゃんに食べてもらっていた。
一口食べてから、感想を言われるまでのドキドキ感は半端ない。
俺はアリスの顔をジーと見つめた。
「んー!美味しいです!」
「ホント?」
「はい!甘すぎないし、白と薄いピンクのクリームと上に乗ってるイチゴが春らしくていいと思います!春と言えばイチゴですよね!……って、私、偉そうに言ってゴメンなさい」
「謝らないでいいよ。アリスの素直な感想を聞きたいから。他には何かある?」
「他、ですか?うーん……春と言えば桜……」
「うん」
俺はレシピノートを開いてペンを持つ。
「デコレーションをイチゴだけじゃなくて、チョコとか飴で桜の花びらを作って乗せたらどうでしょうか?」
「桜の花びら……あっ、いいかも……」
俺はそれをレシピノートにメモする。
「最近は外国の観光客も多くなったし、桜は日本を代表する春の花ですし、ケーキは洋菓子だけど、和のものを取り入れたら外国のお客さんに喜ばれそう」
「なるほどね。アリス、凄いね!」
「えっ?い、いや……」
アリスの照れた顔が可愛い。
さすが女の子。
俺が考えもしなかった事をポンポンと言ってくれる。


