私と千夏さんは駅前のカフェに来ていた。
窓際の席に向かい合わせに座って、特に何か会話するわけでもない。
千夏さんは窓の外を眺めて、私はコップに入った水を見てるだけ。
注文していたケーキセットが運ばれて来たけど、食べる気にもなれなかった。
「アリスちゃん?」
「えっ?な、何?」
いきなり声をかけられて驚く私。
笑っている千夏さん。
「ケーキ、食べよ?」
「あ、う、うん」
私は苦笑いしながら紅茶に砂糖とミルクを入れてスプーンでグルグルかき混ぜる。
ケーキのフィルムを外し、フォークでケーキを食べるけど味なんてわからない。
「私、わかっちゃったかも……」
ケーキを食べながらそう言った千夏さんは私をチラリと見た。
わかったって、何を?
「アリスちゃんって、子猫ちゃんでしょ?」
「えっ?」
ケーキを食べるフォークの手が止まった。
千夏さんはそんな私を見てクスクス笑ってる。


