洗い物が終わりかけていた時。
“ピンポーン”
呼び鈴が鳴った。
桃谷さんがインターホンで対応する。
「はい」
『悠くん!』
この声……。
千夏さん?
「千夏?」
やっぱり千夏さんだ。
『遊びに来ちゃった』
私の胸が急に騒めき始める。
「今日は忙しいから悪いけど……」
『どこか行くの?』
「うん、まぁ……」
『じゃあ、帰って来るまで待ってる!』
桃谷さんの溜息が聞こえてくる。
私の胸はドクドクと煩く鳴ってる。
私がいたらマズイかな?
「…………わかった。今開けるから」
『うん』
桃谷さんは溜息混じりにそう言ってインターホンを切った。
「桃谷さん?私、寝室にいますね」
「ん?いいよ。ここにいても」
「でも……」
「アリスは何も気にしなくていいから」
桃谷さんはそう言って少し苦笑いをした。


