「千夏さん、可愛いですね!桃谷さんとお似合いだと思いますよ!」
「アリス、ねぇ、聞いて?」
「あ、私、ここにいて大丈夫ですか?千夏さんにバレたらヤバいですよね!」
明るくそう捲し立てる私。
それを止めようとする桃谷さん。
真実を聞くのが怖い。
だから桃谷さんの話は聞きたくなかった。
でも……。
「アリス、聞いて!」
桃谷さんがわたしの両腕を掴む。
「な、何ですか?」
体がビクッと跳ね上がり、私は自分の顔から笑顔がなくなっていくのがわかった。
目を見開き、桃谷さんを見てそう言う。
「千夏は彼女じゃないから」
「えっ?」
溜息を吐き出す桃谷さん。
「前に話したこと覚えてる?俺が15歳で家を出て、その後、拾ってくれた人の話」
「はい……」
「千夏はその人の娘だよ」
「えっ?」
私、彼女だと勝手に勘違いして1人で悶々として……。
「俺は千夏の事は何とも思ってないし、妹みたいな感じにしか思ってないよ?」
「そうなんですね……」
「俺の彼女だと思ったの?」
桃谷さんはそう言ってクスッと笑った。
恥ずかしい……。
これじゃあ、まるで桃谷さんを好きだと言ってるようなもんじゃん。


