「ねぇ!この子、誰?悠くんの彼女?」
後から来た女の子が笑顔でそう聞いてきた。
“悠くん”
桃谷さんを名前で呼ぶ女の子。
やっぱり桃谷さんの彼女なの?
「この子は俺の知り合いのお嬢さんだよ」
この女の子の前では、私は桃谷さんの知り合いの娘って設定なんだ。
私のことを、どう紹介したらいいのかわからないから咄嗟にそう言った桃谷さんの気持ちもわかる。
でも、でもね、やっぱりどこか寂しい気持ちがあって、胸がキューと痛んだ。
「そうなの?ねぇ?」
女の子は私に笑顔で声をかけてきた。
「私、千夏っていうの。あなたは?」
千夏。
この女の子、千夏って言うんだ。
「アリス、です……」
「アリス!可愛い名前だね!ねぇ、アリスちゃん?仲良くしよ?」
千夏さんは私の手をギュッと握ってきた。
「えっ?」
凄く人懐っこい。
それが千夏さんの第一印象。


