千夏も慌てたように席を立ち、俺の後ろについて来る。


パスタ皿にはパスタが半分以上残っていた。



「もういいの?」



後ろにいる千夏にそう言った。


レジの前に立った俺の隣に立つ千夏。


レジにいた店員に伝票を渡した。



「1人で食べても虚しいだけだから」



千夏は少し目を伏せ、寂しそうにしていた。


会計を済ませ、カフェを出た俺と千夏。



「あっ、悠くん、お金……」



千夏は斜め掛けにしているカバンを開けて財布を取り出した。



「お金はいらない。俺の奢り」



俺はそう言ってニッコリ笑うと、千夏の頭を撫でた。



「でも……」


「いいから、財布はしまいなよ」


「うん……」



千夏は財布をカバンに入れた。