「あの、お金……」
帰りの車の中。
私は治療費と薬代が気になっていた。
「お金の事は気にしなくていいから。早く治す事を考えてね」
桃谷さんはそう言って私をチラリと見ると頭の上に手をポンと乗せた。
「でも……」
「いいんだって!アリスは気にしないでいいの。あっ!明日、仕事休んだから」
「えっ?」
「明日は1日、アリスのお世話してあげるね」
桃谷さんはそう言ってニコッと微笑む。
えぇ!
いやいや。
「だ、大丈夫ですから!仕事、行って下さい!」
「ダーメ!もう高森くんと香取くんにも言っちゃったし。2人とも、ぜひ休んで看病してあげて下さいって言ってくれたしね」
「いやいや、ダメです!」
私は頭をブンブン左右に振った。
「頭、そんなに振ったら熱上がるよ?」
桃谷さんはそう言って、私の頭に手を回すと、そのまま自分の方に引き寄せた。
痛い……胸が……痛い……。
ドキドキして痛い。
桃谷さんはそのままの状態で運転してる。
大きな手が私の頭を包んでる。
桃谷さんにも私の胸のドキドキが聞こえそうだよ。


