「…………ス?…………アリス?」
「…………ん?」
桃谷さんの声が聞こえ目をゆっくり開ける。
「アリス?調子はどう?」
あれ?私、寝てたの?
「桃谷、さん?」
「ん?」
「今、何時ですか?」
「今?17時を少し過ぎたところ」
「お仕事……」
本当なら桃谷さんはまだ仕事中のはず。
「アリスは気にしなくていいんだよ」
桃谷さんはそう言って、私の頭を優しく撫でてくれた。
それが凄く心地いい。
「熱、測ってみて?」
桃谷さんは私に体温計をさしだしてきた。
それを受け取り、脇の下に挟む。
1分して電子音が寝室に響いた。
「見せて?」
体温計を桃谷さんに渡す。
「熱、全然下がってないね」
やっぱり。
朝と体調が変わらない。
「何か食べる?」
私は首を左右に振った。
「少しでも何か口にした方がいい。ちょっと待ってて?」
桃谷さんは再び私の頭を撫でると、寝室を出て行った。


